鼠径ヘルニアの治療

鼠径ヘルニアはどうやって診断する?

本来は腹筋の内側にあるべき内臓(腸や膀胱)が、鼠径部にある筋肉の隙間(内鼠径輪)から皮膚の下まで脱出する病気が鼠径ヘルニアです。

しかし、鼠径ヘルニア以外にも鼠径部にしこりが出来る病気はあり、「鼠径ヘルニアかどうか分からない…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

鼠径部に出来た膨らみやしこりについての検査は、主に触診と超音波検査になります。
“立位あるいは腹部に力を入れると鼠径部に膨らみが出て、これを押し戻すことが出来る” は鼠径ヘルニアと断定できる所見です。


普段はあまり膨らみが出ないという方は超音波検査でヘルニア嚢の有無を確認する事で診断できます。
検査と診断は15分程度で済み、お洋服を全て脱いだりする必要もありません。

「鼠径ヘルニアかどうか分からない…」という方でも、当院で責任もって検査診断し、その疾患に合わせた治療選択を提示いたします。

鼠径ヘルニアの治療は手術が必要です

普段は痛みがあまりない鼠径ヘルニアですが “嵌頓” という命に危険が及ぶ事があるため、早めの診断と治療が勧められます。
身体の構造上の疾患なので、手術以外に治療方法がありません。

鼠径ヘルニアの手術も医学の進歩とともに変遷しており、1990年頃から人工の網であるメッシュを用いて補強を行うようになり、現在では腹腔鏡を用いた身体にやさしい手術もできるようになりました。

鼠径ヘルニアの治療方法:鼠径部切開と腹腔鏡手術

鼠径ヘルニアの手術は、腸管が皮下まで飛び出す筋肉の穴を塞ぐことが重要です。
これには半吸収性の素材で出来たメッシュ(網のようなもの)を用います。

メッシュを「体壁の穴」に敷く方法は、「鼠径部切開法」と「腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術」の二つに大別されます。

当院は身体への侵襲が低い腹腔鏡手術を推奨しております。

鼠径ヘルニアの手術に入院は必要ありません

鼠径ヘルニアの治療は腹腔鏡による身体にやさしい手術が出来るようになり、入院不要の日帰り治療が現在では可能となっております。
日帰り手術は日本ではまだ聞きなれないかもしれませんが、欧米では既に普及しております。
日帰り手術と入院手術は以下の4点で大きく異なります。

時間的コスト:入院は数週間から週ヶ月を要し、入院期間は満足に仕事が出来ません。また、入院する時間を捻出するための準備にも時間を要します。

金銭的コスト:病気では治療費だけでなく、入院費用も加わります。日本の保険制度では患者様の自己負担額の上限が決められていますが、入院するとアメニティや部屋代などの自費部分も馬鹿にならない額です。何より仕事ができない期間は収入が減る可能性があります。

院内感染のリスク:近年は衛生環境が良くはなっていますが、それでも院内感染はみられます。病棟内の様々な場所に住み着いた菌もあれば、同室の患者様から感染症を貰う可能性もあります。

術後譫妄のリスク:術後の痛みや患部の違和感、また入院という普段と異なる環境が相まって、術後に譫妄になる方がいます。術後譫妄の厄介なところは、認知機能障害に発展する可能性があるということです。
術後合併症が少ない鼠径ヘルニアは、日帰り治療に最も適した疾患であると私たちは考えます。

鼠径ヘルニア日帰り手術の流れ

STEP 1
ご予約

受診申込は、お電話 / Web / LINEから24時間受け付けております。

STEP 2
初診(診察、検査、治療方針の相談)

医師の診察し、治療選択について説明します。
手術をご希望される場合は日程を決めて、麻酔に必要な検査を追加します。
※超音波検査のみで不十分な場合は近隣画像クリニックでCT検査をお願いする場合がございます。

STEP 3
手術

全身麻酔で手術を行います。
所要時間は約3.5時間となり、付き添いは不要です。

STEP 4
術後再診(診療終了)

術後10日目ごろに患者さまの都合に合わせた日程で再診を行います。
合併症などがないことを確認し、診療終了となります。
オンライン診療でのご対応も行っております。

手術日のタイムスケジュール

8:45 来院

  • バイタル
  • 麻酔科診察

9:00 手術室入室

  • 全身麻酔
  • 手術

10:45 手術室退室

  • 歩行テスト
  • 飲水テスト

12:15 退院

当院へご相談ください

当院は広島駅徒歩約5分の鼠径ヘルニア日帰り手術を専門としたクリニックです。
鼠径ヘルニアかどうか分からなくても構いません、鑑別すべき疾患含めて責任もって診察いたします。

土日祝日も診療しているので、電話やLINEでお気軽にご相談ください。