鼠径ヘルニア(脱腸)とは、腹部の内容物が鼠径管(太ももの付け根付近)を通って体外に出てしまう状態のことを指します。腹腔内の脂肪が出ることもありますが、一般的には腸管が出ております。この状態は自然に治ることがないため、多くの場合、手術が必要となります。
しかし、手術を先延ばしにすることを選択する方もいらっしゃいます。このブログでは、鼠径ヘルニアの手術を先延ばしにすることの危険性について詳しく説明します。
鼠径ヘルニアとは?
鼠径ヘルニアは、内臓や脂肪組織が筋層の弱点を通って皮膚の下まで突出する病態です。特に男性に多く見られ、右側に多く発生します。症状としては、腹部や鼠径部の膨らみ、痛み、不快感などがあります。症状がないことも多いのがこの病気の特徴で、治療が先延ばしになりやすい理由でもあります。
手術の必要性
鼠径ヘルニアは、以下の理由から手術による治療が推奨されます
- 自己修復が不可能:鼠径ヘルニアは自然に治ることがなく、放置すると悪化する可能性があります。
- 症状の悪化:初期段階では軽い症状であっても、時間とともに痛みや不快感が増すことがあります。
- 緊急手術のリスク:ヘルニアが絞扼(しめつけ)されると、緊急手術が必要になることがあります。絞扼ヘルニアは、腸管などが締め付けられて血流が途絶え、組織が壊死する危険があります。
手術を先延ばしにする危険性
手術を先延ばしにすると、以下のようなリスクが高まります
- 絞扼ヘルニアのリスク増加:ヘルニアが急に締め付けられると、腸閉塞や組織壊死を引き起こす可能性があります。これにより、生命を脅かす状況に陥ることがあります。
- 痛みと不快感の増加:ヘルニアが進行すると、痛みや不快感が強くなり、日常生活に支障をきたすことがあります。
- 活動制限:重いものを持ち上げたり、運動をしたりすることが難しくなるため、生活の質が低下します。
- 術後合併症の増加:鼠径ヘルニアの術後に、もともと膨らんでいた場所に体液(リンパ液)が貯留してしまう “術後水腫” という合併症が起こり得ます。これは、鼠径ヘルニアが大きくなるほど発生率もあがります。
- 緊急手術の必要性:計画的な手術よりも緊急手術の方がリスクが高く、合併症が発生する可能性も高くなります。
まとめ
鼠径ヘルニアの手術を先延ばしにすることは、多くのリスクを伴います。症状が軽くても、早期に医師と相談し、適切なタイミングで手術を受けることが重要です。手術は一般的に安全で効果的な治療法であり、早期に治療を行うことで、より良い結果が期待できます。
日常生活に支障をきたす前に、鼠径ヘルニアの手術を考えることをお勧めします。専門医の診断を受け、自分の健康を守るための最善の方法を選択しましょう。
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