こんにちは、当院は鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術を専門するクリニックです。
鼠径ヘルニア手術を検討されている方々から、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
この情報が、皆様の疑問解消と意思決定のお役に立てれば幸いです。
1.鼠径ヘルニアとは
鼠径ヘルニアとは腹部の内容物が足の付け根部分の筋肉の隙間から飛び出してしまう状態です。手術で治療可能な病気です。
腸管が飛び出ることが最も多いので脱腸とも呼ばれます。
2.鼠径ヘルニアは必ず手術が必要ですか?
全ての鼠径ヘルニアが即座に手術を必要とするわけではありません。
しかし、多くの場合、時間の経過とともにヘルニアは大きくなり、症状が悪化する傾向があります。
また、まれですが嵌頓(かんとん)という緊急事態のリスクもあります。
そのため、診断を受けた後、医師と相談の上、手術のタイミングを決めることをお勧めします。
3.手術の種類にはどのようなものがありますか?
主に以下の3種類があります
・従来の開腹手術(前方アプローチ)
・腹腔鏡下手術(後方アプローチ)
・小切開法
それぞれに特徴があり、患者様の状態やヘルニアの状況に応じて最適な方法を選択します。
4.手術にはどのくらいの時間がかかりますか?
手術時間は通常30分から1時間程度です。
ただし、ヘルニアの大きさや複雑さ、選択する手術方法によって変わることがあります。
両側のヘルニアの場合は、さらに時間がかかる可能性があります。
5.手術は日帰りで可能ですか?
はい、多くの場合、日帰り手術が可能です。
ただし、患者様の全身状態やヘルニアの状況によっては、1〜2泊の入院を推奨することもあります。
6.手術後はいつから普通の生活に戻れますか?
個人差はありますが、一般的な目安は以下の通りです
デスクワーク:翌日から
軽い運動:2〜4週間後
激しい運動や重労働:4〜6週間後
ただし、完全に元の生活に戻るまでには6〜8週間かかることがあります。
医師の指示に従い、徐々に活動を増やしていくことが大切です。
7.手術後の痛みはどの程度ですか?
手術直後は多少の痛みや不快感がありますが、多くの場合、鎮痛剤でコントロール可能です。
痛みの程度や持続期間には個人差がありますが、通常1〜2週間程度で軽減していきます。
8.手術の成功率はどのくらいですか?
鼠径ヘルニア手術の成功率は非常に高く、95%以上です。
ただし、5%程度の確率で再発する可能性があります。
再発のリスクは、手術方法、ヘルニアの種類、患者様の状態などによって異なります。
9.手術にはどのようなリスクがありますか?
一般的な手術リスク(感染、出血など)に加え、鼠径ヘルニア手術特有のリスクとしては、慢性疼痛、精巣への影響、再発などがあります。
ただし、これらの合併症の発生率は比較的低く、多くの患者様は問題なく回復されます。
10.手術後の傷跡はどうなりますか?
傷跡の大きさと位置は手術方法によって異なります
・従来の開腹手術:5〜10cm程度の傷
・腹腔鏡下手術:3〜4箇所の5〜10mm程度の小さな傷
・小切開法:2〜3cm程度の傷
時間の経過とともに傷跡は目立たなくなっていきます。
11.手術費用はどのくらいかかりますか?
手術費用は保険適用となるため、通常の医療保険の自己負担割合(例:30%)を支払うことになります。
具体的な金額は、手術方法、入院期間、患者様の保険の種類などによって異なります。
詳細は事前に医療機関にお問い合わせください。
まとめ
鼠径ヘルニア手術に関する疑問は患者様によって様々です。
ここでご紹介した質問以外にも、不安や疑問がございましたら、遠慮なく医師や医療スタッフにお尋ねください。
当クリニックでは、詳細な診断と丁寧な説明を行い、患者さんに最適な治療法を提案しています。ご不明な点やご心配な点がございましたら、お気軽にご相談ください。