嵌頓リスクの高い鼠径部ヘルニアについて

鼠径部ヘルニアとは?

鼠径部ヘルニアとは、腹腔内の臓器が、足の付け根にある鼠径部の筋肉や腱の隙間から飛び出してしまい、おできのように膨らんでしまう状態です。

この膨らみは、咳やくしゃいをした時や、重い物を持ち上げた時などに大きくなることが特徴です。

鼠径ヘルニアは、腸が出たり入ったりするだけなら問題ありませんが、嵌頓という非常に危険な状態になることがあります。

嵌頓とは?

嵌頓とは、飛び出した腸などが、ヘルニアの出口で挟まってしまい、戻らなくなってしまう状態のことです。

嵌頓が起こると、激しい痛みや吐き気、嘔吐などを伴うことがあります。

嵌頓してから約10時間で腸が壊死してしまいます。

嵌頓リスクの高い鼠径部ヘルニアの種類

鼠径部ヘルニアは、発生する場所によって大きく4つの種類に分けられます。

1. 外鼠径ヘルニア

  • 特徴: 精巣が降りてくる際にできる通路が、大人になっても閉じずに残っている場合に発生しやすいヘルニアです。男性に多く見られます。
  • 嵌頓リスク: 嵌頓リスクは比較的高いと言われています。

2. 内鼠径ヘルニア

  • 特徴: 腹壁の筋肉が弱くなったり、腹圧が上昇することで発生しやすいヘルニアです。男性に多く見られます。
  • 嵌頓リスク: 外鼠径ヘルニアと同様に、嵌頓リスクは比較的高いと言われています。

3. 大腿ヘルニア

  • 特徴: 女性に多く見られるヘルニアです。大腿部の付け根に発生します。
  • 嵌頓リスク: 嵌頓リスクは非常に高く、腸閉塞などの合併症を起こしやすいことが特徴です。

4. 閉鎖孔ヘルニア

  • 特徴: 女性に多く見られる、非常にまれなヘルニアです。
  • 嵌頓リスク: 嵌頓リスクは非常に高く、早期発見が難しいことも特徴です。

それぞれのヘルニアを区別する方法

これらのヘルニアは、発生する場所や症状が似ているため、医師でも正確な区別が難しいです。

特に大腿ヘルニアや閉鎖孔ヘルニアは、嵌頓して腸閉塞になって初めて覚知することもしばしばあります。

CT検査を行えば、それぞれのヘルニアをある程度正確に診断することができます。

嵌頓を防ぐために

嵌頓は、放置すると命に関わる危険性があります。

これを確実に予防する方法はなく、またいつ嵌頓するかも予測できません。

嵌頓しないためには、早期に治療するしかありません。

鼠径部などに違和感を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。

広島アルプスクリニックでの治療

広島アルプスクリニックでは、鼠径部ヘルニアの日帰り手術を専門としています。

患者様の負担を軽減するため、丁寧な説明と安全な手術を心がけています。

もし、鼠径部ヘルニアでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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