女性の鼠径ヘルニアについて医師が解説!

こんにちは広島アルプスクリニックです。

鼠径ヘルニア(脱腸)という病気は高齢男性に多いですが、実は女性でもなることがあります。

この記事では女性の鼠径部ヘルニアについて解説します。

目次

鼠径ヘルニアってどんな病気?

左右の足の付け根の部分が膨らむことが典型的な症状である鼠径ヘルニアは脱腸とも呼ばれます。

足の付け根付近には筋肉の隙間が存在し、そこから内臓(腸)が皮膚の下まで脱出することが病気の原因です。

臓器が出ているとき、患者様は「鼠径部の膨らみ」として感じます。

立ったり、お腹に力を入れたりすると鼠径部に膨らみが出て、横になると消失します。

放置すると徐々に大きくなるだけでなく、「嵌頓」という状態になる事があります。

この状態になってしまうと、腸閉塞と腸管虚血を起こし、腸が壊死してしまって腹膜炎に至り、時には命に危険がおよぶこともあります。

自然に治ることがなく、治療するには手術が必要です。

そけいヘルニアのイラスト

男性に多い病気と聞くけど女性でもなるの?

鼠径部ヘルニアの罹患者の性別ですが、男性と女性の比率は約8:1となっています。

その理由は、男性の方が鼠径部ヘルニアの一番の原因となる内鼠径輪が広いからです。

しかし女性でも鼠径部ヘルニアになることはありますし、実は男性より症状が出にくくなっています。

女性の鼠径ヘルニアの特徴

女性の鼠径部ヘルニア、実は男性より種類が多いです。

鼠径部ヘルニアの主な原因となる解剖構造は内鼠径輪と鼠径管後壁ですが、女性はこれに加えて大腿輪(大腿静脈横の隙間)と閉鎖孔も原因となることがあります。

大腿ヘルニアと閉鎖孔ヘルニアは女性特有のヘルニアですが、それは骨盤の造りの違いに由来します。

女性は骨盤が広いため、大腿輪や閉鎖孔が広がることがあるんです。

しかし、これら二つのヘルニアは普段は症状が現れることはほとんどなく、最初の症状が嵌頓であることも珍しくありません。

女性の鼠径ヘルニア手術で気を付けるべきこと

女性の鼠径部ヘルニアに手術において、特に気を付けるべきことは大腿輪と閉鎖孔もしっかりと塞ぐことです。

鼠径部切開法の主流はリヒテンシュタイン法といって、腹壁の前方からメッシュをあてる方法です。

そのため、大腿輪と閉鎖孔を塞ぐことができません。

実際、女性の鼠径部ヘルニア手術後の再発に関して調査を行った研究では、鼠径部切開法で大腿ヘルニアでの再発が有意に多いと報告されていました。

女性の鼠径部ヘルニアでは腹壁の内側からヘルニアの原因となりうる全ての場所にメッシュを当てれるような手術が望ましいと言えます。

鼠径ヘルニアかな?と思う方はぜひ当院にご相談ください

当院は鼠径ヘルニアの日帰り手術を専門とするクリニックです。

鼠径部(足の付け根)のしこりは様々な病気が考えられ、当院では鼠径ヘルニア以外の疾患についても責任をもって鑑別診断や治療を行います。

木曜金曜土曜は21時まで診療し、日曜祝日も診療しております。

電話やLINEで24時間相談を受け付けております。

いつでもお気軽にご相談ください。

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