名医に聞く鼠径ヘルニアの手術~外鼠径ヘルニア~

鼠径ヘルニアは一般的な外科疾患であり、特に外鼠径ヘルニア(inguinal hernia)は多くの人々に影響を与えます。

今回は、外鼠径ヘルニアとは何か、そしてその治療法の一つであるTAPP手術について詳しく説明します。

外鼠径ヘルニアとは?

外鼠径ヘルニアは、腹腔内の臓器や組織が内鼠径輪(鼠径管の入口)から鼠径部(足の付け根付近)に突出する状態を指します。

このタイプのヘルニアは特に男性に多く見られ、生まれつき発症している方もいますし、鼠径部の筋肉や結合組織が弱くなることで発生することもあります。

小児の鼠径ヘルニアはほぼすべてがこのタイプであると言えます。

主な症状には、鼠径部の腫れや膨らみ、時には痛みや不快感を伴うことがあります。

外鼠径ヘルニアの手術治療法

外鼠径ヘルニアの治療には手術が必要です。手術にはいくつかの方法がありますが、ここでは特にTAPP手術について詳しく見ていきます。

 TAPP手術とは?

TAPP(Transabdominal Pre-Peritoneal repair)手術は、腹腔鏡を使用した鼠径ヘルニアの修復手術の一種です。以下にTAPP手術の手順とその利点を説明します。

手術手順

  1. 腹腔鏡の挿入: 腹部に小さな切開を加え、腹腔鏡を挿入します。医師はモニターで内部を確認しながら手術を行います。
  2. ヘルニア嚢の切離: ヘルニア嚢(突出した組織)を腹壁のレベルで円形にカットします。その後腹膜を剥離して手術部位にアクセスします。
  3. メッシュの挿入: メッシュをヘルニア門と周囲の弱くなりやすい部分の上に配置します。
  4. 腹膜の閉鎖: メッシュを挿入した後、剥離した腹膜を元の位置に戻し、縫い閉じます。

TAPP手術の利点

  1. 小さな傷口: TAPP手術は腹腔鏡を使用するため、開腹手術に比べて切開が小さく、手術後の痛みが軽減される可能性があります。
  2. 早い回復: 傷口が小さいため、患者の回復が早く、通常は短期間で日常生活に戻ることができます。
  3. 低い再発率: メッシュを使用することで、再発のリスクが低くなります。長期的な結果も良好です。

手術後のケア

TAPP手術後は、医師の指示に従い適切なケアを行うことが重要です。以下は一般的な術後の注意点です

  1. 安静と回復: 手術直後は安静に過ごし、無理な運動や重い物を持つことを避けます
  2. 軽い運動: 医師の許可が下り次第、軽いウォーキングなどの運動を始めることが推奨されます。これにより、血流が改善し、回復が促進されます

結論

外鼠径ヘルニアは手術が必要な疾患であり、TAPP手術はその治療法の一つとして非常に有効な手技です。

小さな傷口と早い回復を特徴とするこの手術は、多くの方にとって理想的な選択肢です。

鼠径部に異常を感じた場合は、早めに専門の医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが健康回復の鍵となります。

鼠径ヘルニアで困ったら広島アルプスクリニックへご相談ください。

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